書店員として働いていた時に、覚えたことや気を付けていたことなど。
流通の仕組みと用語
出版社 取次 書店
→仕入→ →配本→
←返品← ←返品←
- 出版社・・・本を出版します。例)講談社、小学館、集英社、新潮社など、約4400社
- 取次 ・・・各出版社から本を仕入れて書店に卸します。返品を仕分けし、各出版社へ戻します。例)日販、トーハン、地図共販(閉業)、共栄など、34社
- 書店 ・・・取次から本を仕入れて読者に販売します 例)三省堂書店、紀伊国屋書店、丸善など、約22000店
- 書籍(扱い)・・・ISBMコードがあるもの(書籍・CD・DVDなど)
- 雑誌(扱い)・・・雑誌コードがあるもの
- ムック・・・雑誌コードがあり、かつISBMコードがあるもの
- その他・・・コードが何もついていないもの
客注(お客様注文のこと)
- 書籍・・・10日~2種間
- 雑誌・・・3週間程度
祝日、連休、年末年始にはさらに日数がかかる
記入すること
- 書名(巻数)、冊数、出版社名、ISBMコード
- 単行本・文庫本・愛蔵版などの区別、その他お客様の要望(例:代引き発送、いつまでに必要、等)
- 受注日、担当者名
記入していただくこと
- ご住所、お名前フルネーム、ふりがな、電話番号(会社の場合は部署名なども)
希望があれば着払いで配送もできます。商品代のほか、送料がかかります。
レジ操作
レジ機器
- カスタマディスプレイ(お客様への金額表示機)
- レシートプリンター
- ターミナル本体(=ディスプレイ)
- スキャナー
- キャッシュドロア
- 自動釣銭機
登録
- スキャナー登録・手入力・金額+項目 ISBMコード入力 注意 二重登録 バーコード面は裏返しておく
- 点数を確認する
- お預かり金額の入力
- 釣銭自動返却
- 商品入れ忘れ防止、点数確認 文具など注意!
包装
カバー(文庫、新書、B6、四六、A5ソフト、A5ハード、その他)
お店のロゴの文字がお客様のほうを向くようにお渡しする。
ポリ手提げに貼るネームテープは、ロゴを途中で切らないようにする。まっすぐ貼る。
ラッピング
クリスマスシーズンや、入園入学シーズンに多い。
お取替え・返金
商品に不良があった場合は、同じ商品(商品不良のないもの)と交換していました。商品在庫がないこともあるので、その場合はお取り寄せ、または返金をしていました。
- お買い上げの商品が破損していた
- 同じものを購入済みだった
- 商品を間違って買ってしまった
商品の汚れや乱丁、落札など、ご購入前から商品が不良だったと判断できる場合、丁寧にお詫びの上、同じものと取り換えるかご返金をする。
その他の場合、基本的にはほかの商品を選んでいただくなど、お取替えをお勧めする。お客様のご要望や場合により返金を行う。
レシートを確認する。
書き込みなどはされていないか、など商品の状態を確認する。
図書カード、クオカード
クオカードは、すべての書店で使えるわけではありません。
ご利用金額分だけ引き落とし
※一度引き落とした金額は戻すことができません。金額を間違えないように。
「○○円のご利用で、残金は▽▽円でございます」
「ご利用済みのカードはいかがいたしますか」
破棄する場合は、ゼロ穴確認。残額のあるものを回収しないこと。複数枚ある場合に注意。
不足分は現金やクレジットカード等での併用が可能。
図書カードの磁気エラー
たまに、エラーが起きるんです・・・。
図書カードをいれると磁気エラーの用紙が出る場合がある。
※数回試してみて、エラーが確定した場合、お客様に磁気エラーのためご利用いただけないことを説明し、カードと、専用の封筒とエラーレシートをお渡しし、投函する旨をご案内する。今回の会計では別の方法でのお支払いをお願いする。
商品券など
図書券
昔は、カードじゃなくて、紙の券でした。図書カードはカードに残高が残りますが、図書券は、おつりがでるんですよね~。
釣銭が出る。
H17.9月末で生産終了。
500円のものと100円のものがある。
商品券
釣銭は出ない。
クレジットカード会社系。
文具券は使えない。
領収書
原則としてPOSレジ領収書、希望により手書きの領収書を作成する。領収書作成の際は、レシートはお渡ししない。
「お名宛(お名前)はいかが致しましょうか」
「品名は書籍代でよろしいですか」(書籍代、文具代、図書カード代)
税込31500円以上の際は収入印紙 割り印を押す
棚整理
- 平積みの本をそろえる
- 棚差のはみでたスリップや帯をそろえる
- POPポスターのチェック(期日、曲がり、はがれ)
- 清掃(はたきがけ、ほこりとり)
- レジ周り、カウンターの整理整頓
- 備品補充
棚差
店舗やジャンルによって、ルールがあると思います。
左 → 右
版型 大→小
1→大きい数字
上中下
平積み
- 売れている本
- 売れるであろうと予想される本
- 特にお勧めしたい本
互い違いに3冊ずつ、薄い本は在庫数も一目で確認できるように5冊単位で
上中下段をまめに入れ替え、常にきれいな本が一番上に来るようにする
高さをそろえ、奥が低くなったら入れ替える
多面積みは2面まで
ポップは3枚/㎥程度
平台の前ヅラをそろえる
隙間なく平積みする
差棚前の平積みはアンコ台の高さを越えてはいけない
開店準備
- レジ準備、釣銭準備
- 棚整理
- 売り場什器、電子機器の電源オン
- 品出し
閉店時
- 不要レシート
- 図書・クオカード
- 領収書(POS)
- スリップ
- 雑誌のゴム
- ごみ捨て
- 棚戻し
- キャット
- 釣銭機、万券確認
- クレジット
- 商品券
- 入力
- 売り場什器、電子機器の電源チェック
- シャッター
- 棚整理
その他
同じ本を2冊購入の場合
念のため「同じ本が2冊ですが、よろしいですか?」等の確認をする。
実は間違っていたという場合も結構ある。(薄くて2冊とったことに気づいてない、別の巻をとったつもりだった等)
雑誌「日経ビジネス」
雑誌「日経ビジネス」は、基本的には書店扱いなし。
お客様自身で出版社に購読を申し込みする。
このような雑誌は多数あるので都度ホームページなどで確認をする。
北海道の雑誌発売について
雑誌は、北海道は東京発売から2日遅れて発売する
従業員について
週休2日のフルタイムアルバイトさんが多かったです。(私もです。)
夕方のみ勤務の学生アルバイトさんにも有給がありました。
社員の方にも種別があり、全国転勤のある社員さんと、エリアのみでの勤務の社員さんなどがいました。
- 正社員A
- 正社員B
- 契約社員
- フルタイムアルバイト
- パートタイムアルバイト
- 学生アルバイト
書店関連で、気になる本、好きな本
Twitterの発信がとても素敵で楽しい書店員さん
最近の本ではないけれど、本屋さんの現場の様子がおもしろおかしく伝わってきた。キャラクターが濃くて面白かった。たくさん本を読みそして読んだら捨てる店長さんが印象的。書店員の仕事内容が気になるならおすすめ。
けっこう前の本ですが、ミシマ社さんの本。全国の書店員さんが紹介する本が掲載。第2弾もあります。
最後に
店舗や時代によって異なります。あくまで、わたしの経験したひとつの例として読んでください。
コメント